歴女(読み)れきじょ

知恵蔵の解説

歴女

歴史好き、歴史ファンの女性を示す略語。歴史そのものというより、歴史に登場する特定の人物や人間関係に強い興味を持ち、まるで俳優やアイドルの追っかけのようにゆかりの地を訪ね歩いたり関連グッズや書籍を買い求めたりする。10~20代の若い女性が多いのが特徴。これまでの「歴史といえば中高年男性のおはこ」という常識を打ち破った新しいマニア層として、にわかに注目を集めている。
歴女人口が増えはじめたのは、『三国志』を題材にした中国映画「レッドクリフPart1」が封切られた2008年後半ごろ。レッドクリフは、三国志の中でもクライマックスとされる「赤壁の戦い」を描いた長編映画で、知略と人間ドラマが渦巻くストーリーが人気を博し、日本でも大ヒットした。一説によると、レッドクリフの公開記念イベントに参加した歴史ファンのアイドルを「歴ドル」と名づけたことをきっかけに、歴女という言い方が広まったらしい。
2009年に入り、若手人気俳優が多く出演するNHK大河ドラマ「天地人」の放送が始まり、歴女はまたたく間に市民権を獲得、ますます歴女の知名度があがった。また同年、戦国時代を現代タッチで描いたアニメ「戦国BASARA」のテレビ放送が始まると、歴女ブームが一気に爆発。女子高生などを中心に熱狂的な戦国武将ファンを生んだ。
歴女は、織田信長や坂本竜馬など主役級の人物に興味を抱きがちな一般ファンとは少し違い、ほとんど名の知られていない武将や人物に傾倒する傾向がある。自分が好きな歴史人物のことになると、史実の真偽を問わず調べ上げて専門家並みの博識を身につけたり、関連史跡を訪れるため全国を旅して回ったりと、自分だけの陶酔世界を築いていくことに熱心だ。最近では、歴女ブームにあやかった商品や旅行が好調で、本、マンガ、ゲームはもちろん、戦国武将キャラクターをパッケージに印刷したかまぼこ、米、地ビールなどのほか、武将の足跡や名所をたずねるツアーなどが次々と発売されている。

(高野朋美 フリーライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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