日本大百科全書(ニッポニカ) 「段丘構成層」の意味・わかりやすい解説
段丘構成層
だんきゅうこうせいそう
段丘の平坦(へいたん)面を形成する砕屑(さいせつ)物層。広義には砕屑物層の上の風化火山灰土層(ローム層)も含める。段丘堆積物(たいせきぶつ)ともいう。礫層(れきそう)からなる場合は段丘礫層とよぶこともある。古い時代の段丘礫層は礫の風化が著しく、そのような礫はくさり礫あるいはくされ礫とよばれることがある。段丘構成層は海成あるいは河川成の地層からなることが多く、前者が形成した段丘を海成段丘、後者が形成した段丘を河成段丘とよぶ。海成段丘は約12万年前ごろの最終間氷期に形成された関東平野南部の下末吉(しもすえよし)段丘(下末吉面)が典型例としてよく知られ、同時期の段丘は海岸沿いの地域を中心に全国に広く発達する。一方、河成段丘は約2~3万年前の最終氷期に形成された立川(たちかわ)段丘(立川面)が代表的で、同時期の段丘は河川沿いを中心に全国に広く発達することが知られる。
[中澤 努]