内科学 第10版 「気管支閉鎖症」の解説
気管支閉鎖症(発育異常・形成不全)
概念
気管支閉鎖症は左上葉で多くみられ,葉気管支,区域気管支,亜区域気管支の内腔もしくは分岐における閉塞・狭窄で生じる.閉塞部から末梢の分泌物が狭窄部を通過できず,粘液栓子や粘液囊胞を形成することがある.末梢の肺区域には側副路を通じ空気が流入し,過膨張を生じる.そのため胸部X線写真およびCTでは,肺門側の気道分枝に一致する肺内腫瘤影を認め,その末梢側では肺野の透過性亢進像を特徴とする.
臨床所見
多くは無症状だが,感染を伴うと腫瘤影はair fluid levelを伴い,肺化膿症との鑑別が必要となる.感染を繰り返す例では外科的切除を検討する必要がある.[久良木隆繁・礒部 威]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報