閉塞(読み)ヘイソク

デジタル大辞泉 「閉塞」の意味・読み・例文・類語

へい‐そく【閉塞】

[名](スル)
通路出入り口がふさがること。また、閉じてふさぐこと。「運河閉塞する」「腸閉塞
吝嗇悪行にして、仁愛の心を―し」〈中村訳・西国立志編
先行きが見えないこと。将来の見通しが立たないこと。「閉塞状況」「閉塞した経済」
列車どうしの衝突を防ぐ手法の一。列車の場合、自動車などに比べて制動距離が長いため、線路をある一定区間に区切り、一区間に一編成しか入れないようにすることで衝突を回避する。また、閉塞区間内の走行列車の存在は軌道回路で検知する。固定閉塞。→移動閉塞
[類語](1塞ぐ閉ざす閉める閉じるたてる閉め切るふうずるさえぎはば遮断する封鎖する閉鎖する

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精選版 日本国語大辞典 「閉塞」の意味・読み・例文・類語

へい‐そく【閉塞】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「へいぞく」とも )
  2. とじてふさぐこと。しめて通れないようにすること。また、とじてふさがること。
    1. [初出の実例]「もしひと、にくみのらば、くち、すなはち閉塞(ヘイゾク)せん」(出典:妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)五)
    2. 「目は外に在て明なるが、心は内に処て閉塞する、不便と思ふ也」(出典:清原国賢書写本荘子抄(1530)六)
    3. [その他の文献]〔礼記‐月令〕
  3. 敵の艦船の出入を妨げるために、港の出入り口に艦船を沈めたり、防材を置いてバリケードとしたり、水雷を敷設したりして港口をふさぐこと。
    1. [初出の実例]「聯合艦隊は去る二十六日再び旅順口に向ひ〈略〉敵港閉塞を決行せり」(出典:官報‐明治三七年(1904)三月二九日)
  4. 鉄道で、本線路の一定の区間を一つの列車だけの運転に専用させること。同じ本線路を運転する列車の衝突事故を防ぐために行なう。

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普及版 字通 「閉塞」の読み・字形・画数・意味

【閉塞】へいそく

とざす。とじこもる。宋・軾〔李端叔に答ふる書〕罪を得てより以來、深く自ら閉塞し、履、山水に放浪し、樵漁(せうぎよ)と雜處す。~輒(すなは)ち自ら漸く人にられざるを喜ぶ。

字通「閉」の項目を見る

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百科事典マイペディア 「閉塞」の意味・わかりやすい解説

閉塞(鉄道)【へいそく】

列車運転の安全を期するため,単線区間において線路を閉塞区間と呼ぶ短い区間に分け,1閉塞区間に1列車しか進入できないようにすること。軌道回路を利用した信号機(車上信号を含む)による自動閉塞方式と,通票などによる手動閉塞方式がある。
→関連項目鉄道信号

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