水素炎イオン化法(読み)スイソエンイオンカホウ

化学辞典 第2版 「水素炎イオン化法」の解説

水素炎イオン化法
スイソエンイオンカホウ
hydrogen flame ionization method

有機化合物,とくに炭化水素水素の炎中に入れたときに生じるイオンを,電気的に測定する高感度の分析法.ガスクロマトグラフの検出器として用いたときは,水素炎イオン化検出器(FID)という.試料気体に水素をまぜ,燃焼室内のバーナーで燃焼させ,バーナーを負極,バーナー上方におかれた金属スクリーンを正極とし,この間に300 V の電位差を与え,生じたイオンによるイオン電流を測定する.相対的モル感度は炭化水素では炭素数に比例する.アルコール,ハロゲン化合物の感度はよくない.自動車の排気ガスほか,多種類の炭化水素を含む試料気体で,ガスクロマトグラフで分離することなく,このまま用いた場合は,検定用に選んだ基準炭化水素に換算した全炭化水素濃度が得られる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android