一般に装置、システム、生物体などにおいて、入力刺激に応じた出力の能力をいい、とくに計器や測定系では性能を示す大きな要素の一つとなっている。計器または測定系における感度とは、一定の指示値の変化に対する測定対象の変化、または計器が検知することのできる最小の量、または最小の変化量をいう。JIS(ジス)(日本産業規格)では、「(測定システムの)感度」を「測定される量の値の変化に対する、測定システムの指示値の変化の比率」と定義し、注記として、「測定システムの感度は、測定される量の値に依存することがある」「測定される量の値の変化は、分解能より大きい」と記載している(JIS Z 8103)。
以上のほか、写真材料が光、放射線、粒子線などに感ずる能力や、火薬類の爆発しやすさ、あるいは爆発させるに要するエネルギーの大小を表すものなど、感度を表現する例はきわめて多岐にわたっている。
[小泉袈裟勝・今井秀孝]
ラジオやフィルムの感度などのように,機器あるいは物質などが外部から受ける信号,あるいは刺激に感ずる度合をいう。計測器の場合には,測定しようとする量,すなわち測定量の変化を感ずる度合で,感度係数,振れ係数または感度限界によって定量的に表示される。感度係数は測定量の変化に対する計測器の指示値の変化の比,振れ係数はその逆数で,例えば1Vだけ電圧を増したときに指針が2cmだけ振れる電圧記録計の感度係数は2cm/V,振れ係数は0.5V/cmである。また感度限界は計測器が確かに検知できる最小の測定量の変化の大きさで,検知の限界が例えば0.1mgのてんびんであれば感度限界0.1mgと表す。なお,てんびんやはかりでは,検知したかどうかの判断の不確かさを避けるため,目盛の最小単位やその1/2など一定の変化を生じさせる質量の値を感量と呼び,感度限界の一種として用いている。
執筆者:飯塚 幸三
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【Ⅰ】物理・化学的測定量の変化に対する測定器の目盛の変化の割合をいう.または,測定器などの機能による,識別可能な信号の最小量をいう.また,測定量のフルスケールにおける百分率で表示することがある.測定器が同一でも,測定量のレンジ(範囲)によって変化する.【Ⅱ】写真の感度規格をASAという.
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…感光度,あるいは単に感度ということもある。写真感光材料が光や放射線に対して感光する度合をいう。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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