日本大百科全書(ニッポニカ) 「汝河」の意味・わかりやすい解説
汝河
じょが / ルーホー
中国、河南(かなん/ホーナン)省を流れる川で、省中部の北汝河、南部の南汝河の2流がある。北汝河は嵩(すう)県の南西に源を発し、汝陽(じょよう)、臨汝を経て襄城(じょうじょう)の南東で淮河(わいが/ホワイホー)最大の支流である潁河(えいが/インホー)の支流沙河(さが)に合流する。南汝河は単に汝河ともよばれ、泌陽(ひよう)の北に源を発し、北東に流れて遂平(すいへい)で南東に向きを変え、汝南などを経て新蔡(しんさい)で淮河の支流洪河に合流する。以前は同一の流路で魯山(ろざん)の南西に発し、汝陽、臨汝、襄城、上蔡(じょうさい)、汝南、新蔡など諸県を流れて直接淮河に流入していたが、流路の変化が甚だしく、流域は水害に苦しんだため元(げん)の至正27年(1367)、現在の舞陽県下で人為的に南北2流に分流されることとなった。解放後、南汝河の上流に板橋(ばんきょう)ダムや蛟停(こうてい)湖蓄洪区などが建設され、水害を防いでいる。
[林 和生]