江田船山古墳出土大刀銘(読み)えたふなやまこふんしゅつどたちめい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「江田船山古墳出土大刀銘」の意味・わかりやすい解説

江田船山古墳出土大刀銘
えたふなやまこふんしゅつどたちめい

熊本県玉名(たまな)郡和水(なごみ)町江田船山古墳より出土した大刀の銘。大刀は茎(なかご)を欠失し、現存長さ90.7センチメートルを有する。鎺元(はばきもと)の一面に12花弁の菊花状文と、胴部に流水状の渦文(かもん)を表した馬の姿を銀で象眼(ぞうがん)し、棟(みね)に75文字の銘文を銀象眼で表す。欠字や不明文字が多く異論も多いが、全文は、この大刀を製作した時代と目的、大刀の功徳(くどく)、作者と書者の名がみえる。従来、冒頭の文を「治天下(あめのしたしろしめす)(之宮瑞)歯大王(たじひのみやみずはのおおぎみ)」となし、これを第18代反正(はんぜい)天皇(在位406~410)に擬する説が行われた。しかしその後、埼玉県稲荷山(いなりやま)古墳より金象眼銘文の鉄剣が出土するに及んで「治天下(獲加多支)鹵大王(わかたけるのおおぎみ)」と読み、第21代雄略(ゆうりゃく)天皇(在位456~479)に比定される可能性が指摘されている。

[乙益重隆]


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