清史編纂事業(読み)しんしへんさんじぎょう

百科事典マイペディア 「清史編纂事業」の意味・わかりやすい解説

清史編纂事業【しんしへんさんじぎょう】

中国で進んでいる清朝時代の歴史の編纂事業。中国史では王朝交替ごとに新しい王朝が前代の王朝の歴史を編纂することで,自らの政権の正統性を明らかにするという形式が続いた。中国の正史である二十四史の歴史上の最後は,清代に編纂された明史で,これまで清の歴史は中華民国時代に《清史稿》が刊行されたが,これは正史と認められていない。中華人民共和国は,2002年,当時の江沢民国家主席の指示で国家清史編纂委員会を立ち上げ国家プロジェクトとして清史編纂が始まった。完成は当初2013年の予定であったが2015年に延期されている。北京の第一歴史【とう】案館を中心に収集されている厖大な史料は,単行本その他のかたちでも刊行される。中国歴代王朝のなかで最大版図を誇った大清帝国の歴史を,朝鮮王朝琉球王国などの周辺諸国や諸民族の歴史との関係でどのように位置づけるのか,現代中国の歴史認識と対外認識が問われる。

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