前代(読み)ゼンダイ

精選版 日本国語大辞典 「前代」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐だい【前代】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 現在より前の時代。前の世。前の時代。先代。
    1. [初出の実例]「吾聞 前代多有良医、救療蒼生病患」(出典:万葉集(8C後)五・沈痾自哀文)
    2. 「彌々其前代(ゼンダイ)有様を知りたり」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一九)
    3. [その他の文献]〔書経‐周官〕
  3. 当主の前の代。さきの主人。先代。
    1. [初出の実例]「只今の殿様前代とちがひ、なにかに付て軽ひお身持」(出典:浄瑠璃・心中宵庚申(1722)上)
  4. ぜんだいみもん(前代未聞)」の略。
    1. [初出の実例]「げらが宿を忘れて、はやし物をしてくる、ぜんだいのくせ事」(出典:虎明本狂言・麻生(室町末‐近世初))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「前代」の読み・字形・画数・意味

【前代】ぜんだい

前の時代。民国・章炳〔国故論衡、中、弁詩〕余(われ)以爲(おも)へらく、古(いにしへ)禮樂未だ興らず、則ち代に因(いんしふ)す

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