渦なし流(読み)うずなしりゅう(その他表記)irrotational flow

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「渦なし流」の意味・わかりやすい解説

渦なし流
うずなしりゅう
irrotational flow

流れの中のいたるところで渦度がゼロであるような流れをいう。流体速度ベクトルu ,渦度ベクトルを ω とするとき,渦なし流では,ω=rotu=0 であるから,u=gradφ と書けるような速度ポテンシャル φ が存在する。流体が粘性のない完全流体で,流体に働く外力が保存力の場合には,ヘルムホルツ渦定理によって,渦は発生消滅もしないから,渦なし流はいつまでも渦なしに保たれる。したがって,静止状態から出発した流れはすべて渦なしである。実在流体では粘性が存在するため,前述の結果は厳密には成り立たないが,部分的に渦なし流が実現される場合も多い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む