ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「渦なし流」の意味・わかりやすい解説 渦なし流うずなしりゅうirrotational flow 流れの中のいたるところで渦度がゼロであるような流れをいう。流体の速度ベクトルを u ,渦度ベクトルを ω とするとき,渦なし流では,ω=rotu=0 であるから,u=gradφ と書けるような速度ポテンシャル φ が存在する。流体が粘性のない完全流体で,流体に働く外力が保存力の場合には,ヘルムホルツの渦定理によって,渦は発生も消滅もしないから,渦なし流はいつまでも渦なしに保たれる。したがって,静止状態から出発した流れはすべて渦なしである。実在流体では粘性が存在するため,前述の結果は厳密には成り立たないが,部分的に渦なし流が実現される場合も多い。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by