準同形(読み)じゅんどうけい(その他表記)homomorphic

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「準同形」の意味・わかりやすい解説

準同形
じゅんどうけい
homomorphic

たとえば群から群へというように,同種の2つの代数系 XY の間に対応 fXY が,xX に対し f(x)=yY を対応させるような対応として存在し,しかもこの対応 f が,その演算を保存するとき,fX から Y への準同形写像であるといい,この準同形写像X から Y の上への写像,すなわち全射であるとき,YX に準同形であるという。 XY がともに群のとき,その演算・が保存されるとは,f(xy)=f(x)・f(y) が成り立つことを意味する。 XY がともに環あるいは体のときは,演算+および・に関して
が成り立つことであり,XY がともに束ならば,演算 ∪ ,∩ に対して,

f(xy)=f(x)∪f(y),f(xy)=f(x)∩f(y)

が成り立つことである。 XY がともにベクトル空間の場合は,その演算であるスカラー倍と加法に対して,

f(ax)=af(x),f(xy)=f(x)+f(y)

が成り立つことである。特に fX から X への準同形である場合,すなわち1つの代数系の自分自身への写像であるときは,この f を自己準同形写像という。

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