代数学で扱う対象となる群,環,体,束,リー環,ジョルダン代数,多元環などに共通する概念。構造は,それぞれに定義されている演算の満たす公理系に深いかかわりのあることが多い。そこで,これら個々の対象を,〈演算〉と,それらの満たす公理系を中心にして見直す立場から,より抽象的,統一的に考察しようとして生まれた概念が代数系である。つまり,代数系とは,演算の与えられた集合のことで,その演算が,どの公理系を満たすかによって,いろいろな代数系が考えられる。代数系の概念を導入することによって,例えば,部分代数系,生成系,自由代数系,剰余代数系,二つの代数系間の準同型,同型および代数系の準同型定理など,群論や環論などにおいて,個々の場合,そのつど定義され,証明されていた概念や定理を代数系の理論として統一的に扱うことができる。
執筆者:西村 純一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…そのころから抽象代数学の最初の部門としての群論が登場することになる。それ以後の代数学は単に代数計算の技術ではなく,代数系すなわち簡単な公理で規定された算法をもつ集合の構造を研究する分野となる。群に続いて環,体などの代数系が研究の対象とされた。…
※「代数系」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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