(読み)デキ

デジタル大辞泉 「溺」の意味・読み・例文・類語

でき【溺】[漢字項目]

常用漢字] [音]デキ(漢) [訓]おぼれる
水におぼれる。「溺死
あることに心を奪われ、他を顧みない。「溺愛耽溺たんでき惑溺

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「溺」の意味・読み・例文・類語

おぼ・れる【溺】

〘自ラ下一〙 おぼ・る 〘自ラ下二〙
水中に落ちて泳げずに死にそうになる。水中に沈んで死ぬ。おぼほる。
古事記(712)上「故(かれ)、今に至るまで其の溺(おぼれ)し時の種々(くさぐさ)の態(わざ)、絶えず仕へ奉るなり」
② あることに熱中して心を奪われる。ふける。くれる。はまる。
※栄花(1028‐92頃)花山たづぬる中納言「殿はただ涙におぼれてぞ過(すぐ)させ給」
③ うすぼんやり見えたり、または聞こえたりする。かすむ。ほける。
堀河百首(1105‐06頃)雑「帰りこん道もおぼれておもほえず今日の別れを惜しむ涙に〈隆源〉」

でき‐・す【溺】

〘他サ変〙 おぼれさせる。
太平記(14C後)一六水鬼洪水を流して、敵を陸(ろく)地に溺(デキ)す」

おぼほ・す【溺】

〘他サ四〙 水におぼれるようにする。水におぼれさせる。
書紀(720)神代下(鴨脚本訓)「此を以て、汝の兄を没溺(オホホセ)

おもほ・る【溺】

〘自ラ下二〙 おぼれる。涙にくれる。おぼほる。
※夜の寝覚(1045‐68頃)一「あたらしう、くちをしく、涙におもほれまどひながらも」

おぼら・す【溺】

〘他サ四〙 おぼれるようにする。おぼれさせる。〔改正増補和英語林集成(1886)〕

おぼお・す おぼほす【溺】

〘他サ四〙 ⇒おぼほす(溺)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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