耽溺(読み)タンデキ

デジタル大辞泉 「耽溺」の意味・読み・例文・類語


たんでき【耽溺】[書名]

岩野泡鳴小説。明治42年(1909)発表。初期自然主義文学の代表作で、主人公の作家田村義雄の愛欲におぼれる生活を描く。

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精選版 日本国語大辞典 「耽溺」の意味・読み・例文・類語

たん‐でき【耽溺・酖溺】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ある境地にふけり溺(おぼ)れること。特に、酒や女色などにふけり溺れること。
    1. [初出の実例]「実朝為人優柔、耽溺歌賤」(出典日本外史(1827)四)
    2. 「或は酒を使ひ或は婦女に耽溺(〈注〉オボレ)し」(出典:新聞雑誌‐四三号・明治五年(1872)五月)
    3. [その他の文献]〔新唐書‐元徳秀伝〕
  2. [ 2 ] ( 耽溺 ) 小説。岩野泡鳴作。明治四二年(一九〇九)発表。作家の田村義雄は、田舎芸者吉彌に刹那的享楽をおぼえ引き込まれていくが、究極的には冷酷な自我主義を貫き彼女から離れていく。自らの生活と感情を赤裸々に描き出したもので、作者の文壇的出世作

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