化学辞典 第2版 「炭化ナトリウム」の解説
炭化ナトリウム
タンカナトリウム
sodium carbide
Na2C2,NaHC2が得られている.HC≡CHのNa塩としてのアセチレン化ナトリウム(sodium acetylide)もIUPACの許す名称である.【Ⅰ】炭化水素ナトリウム(sodium hydrogencarbide):NaHC2(48.02).液体アンモニアにNaを溶かし,これにアセチレンを通すと得られる.または,180 ℃ で,NaにC2H2を作用させても得られる.無色の結晶.密度1.57 g cm-3.吸湿性で,水と反応してC2H2を発生する.ハロゲン化アルキルRXと反応して,-C≡CH基を導入できる.
RX + NaC≡CH → R-C≡CH + NaX
[CAS 1066-26-8:NaC2-][CAS 99435-46-8:NaHC2]
【Ⅱ】二炭化二ナトリウム(disodium dicarbide):Na2C2(70.00).NaHC2を真空中で145 ℃ に加熱するか,Naとアセチレンを高温で反応させてつくる.Na+ とC≡ C2-のイオン結晶と考えられている.白色の吸湿性固体.密度1.58 g cm-3.融点約700 ℃.水と反応してアセチレンを発生する.空気中で加熱すると,酸化されてNa2CO3になる.RXと反応して,アセチレン系炭化水素をつくる.[CAS 2881-62-1]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報