改訂新版 世界大百科事典 「焼入油」の意味・わかりやすい解説
焼入油 (やきいれゆ)
quenching oil
鉄鋼その他の金属の焼入れ,焼戻しなどの熱処理用の鉱油。JISでは熱処理油として表のように規定されている。表中,焼入れ硬化しやすい材料とは高炭素鋼,合金鋼などをいい,また焼入れ硬化しにくい材料とは低炭素鋼などをいう。1種2号は1種1号にくらべて冷却速度が大きいことが要求されている。すなわち規定では,銀棒を使った冷却性能試験で800℃から400℃までの冷却所要時間が,1種1号では5秒以下に対し,1種2号では4秒以下となっている。なお熱浴焼入れとは,熱浴中で加熱後,引き上げて空冷する操作をいう。
執筆者:冨永 博夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報