朝日日本歴史人物事典 「牧宗親」の解説
牧宗親
平安末・鎌倉初期の幕府御家人。『尊卑分脈』に載る,藤原宗兼の子で平頼盛母(池禅尼)の兄弟の宗親がこれか。北条時政の後妻牧の方の親族。『愚管抄』では牧の方の父として,かつて頼盛に仕え駿河国大岡牧(沼津市)を知行していたとする。「武者ニモアラズ,カヽル物ノ中ニカヽル果報ノ出クル」と評されている。『吾妻鏡』では牧の方の兄弟とする。寿永1(1182)年北条政子の命令で源頼朝の愛妾亀前の住居を破却,源頼朝の怒りを買い髻を切られたエピソードは有名。「武者所」という通称で頼朝に仕えるほか,時政の家人としての活動もしばしばみられる。
(奥田環)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報