日本大百科全書(ニッポニカ) 「猪の子古墳」の意味・わかりやすい解説 猪の子古墳いのここふん 広島県福山市加茂町下加茂の江木神社境内にある終末期古墳。花崗岩(かこうがん)切り石で石槨(せっかく)と羨道(せんどう)をつくり、各石材のすきまに漆食(しっくい)が詰めてある。石槨は長さ2.8メートル、幅1.1メートル、高さ0.9メートル、これより一回り大きく羨道をつける。墳丘は流失が著しく円墳か方墳かなど明らかでない。周辺にある福山市新市(しんいち)町の尾市(おいち)古墳、福山市芦田町の曽根田白塚(そねだしろつか)など同様な石槨墳とともに、畿内(きない)地方以外ではきわめて珍しい本格的な終末期石槨墳である。県指定史跡。[間壁忠彦] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例