羨道(読み)センドウ

デジタル大辞泉 「羨道」の意味・読み・例文・類語

せん‐どう〔‐ダウ〕【羨道】

横穴式石室で、玄室に通じる道。えんどう。

えん‐どう〔‐ダウ〕【羨道】

せんどう(羨道)

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精選版 日本国語大辞典 「羨道」の意味・読み・例文・類語

せん‐どう‥ダウ【羨道】

  1. 〘 名詞 〙 古墳内部横穴式石室の羨門入り口)から遺骸を安置する玄室(げんしつ)までの通路。「えんどう」ともいう。

えん‐どう【羨道】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「えん」は「羨」の呉音 ) =せんどう(羨道)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「羨道」の意味・わかりやすい解説

羨道(せんどう)
せんどう

古墳の玄室(げんしつ)(棺を安置する主室)と入口を結ぶ部分。「えんどう」ともいう。中国では墓道のことを羨といい、上部に覆いを必要としない。一般には横穴式石室内の前半部を構成する墓道的部分をいう。これには通常石の天井があり、入口を羨門とよぶ。古墳時代後期後半には羨道部分にも追葬が行われる。

[今井 尭]


羨道(えんどう)
えんどう

羨道

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「羨道」の解説

羨道
えんどう

横穴式石室や横穴墓などの玄室と外部を結ぶトンネル状の部分をさし,入口を羨門という。通常は玄室より幅や高さが小さい。玄室の中央につくもの以外に一方に偏ったもの,なかには玄室と羨道の境界が明確でないものもある。この部分で祭祀が行われた例もある。羨門は石で閉塞され,追葬の際にはずす。慣用的に「せんどう」とも読む。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「羨道」の意味・わかりやすい解説

羨道
せんどう

「えんどう」とも読む。古墳で,主として遺体を収容しておく玄室から,外部に通じる通路にあたる部分をいう。横穴式石室,横穴にみられる。まれにはこの部分に遺体を安置することもある。副葬品の置かれている例がかなり多い。中国では墓道,甬道という。

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百科事典マイペディア 「羨道」の意味・わかりやすい解説

羨道【せんどう】

横穴式石室

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防府市歴史用語集 「羨道」の解説

羨道

 横穴式石室[よこあなしきせきしつ]で、入口から玄室[げんしつ]または前室[ぜんしつ]へつながる通路の部分です。

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普及版 字通 「羨道」の読み・字形・画数・意味

【羨道】えんどう

墓道。

字通「羨」の項目を見る

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旺文社日本史事典 三訂版 「羨道」の解説

羨道
せんどう

古墳の内部構造の一つ
玄室に至るまでの通路をいう。

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世界大百科事典(旧版)内の羨道の言及

【石室】より

…なお,弥生時代の終末には先駆的な形態のものが出現するが,小型,粗製で,古墳時代前期のものとは直ちに連続しない。 他方,横穴式石室は玄室と呼ぶ遺体を収める空間と,そこにいたる通路としての羨道(えんどう∥せんどう)よりなる。羨道が玄室前面の中央に付くものを両袖式,左右に偏するものを片袖式,両者の区別のないものを無袖式という。…

※「羨道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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