精選版 日本国語大辞典 「現無」の意味・読み・例文・類語
うつつ‐な・い【現無】
〘形口〙 うつつな・し 〘形ク〙
① 正気を失っているさま。ぼんやりと放心しているさま。
※明月記‐建暦二年(1212)七月一三日「暑気難レ堪、無現心神迷惑、風情不レ足レ言」
※徒然草(1331頃)一一二「この心を得ざらん人は、物狂ひともいへ、うつつなし、情なしとも思へ」
② しっかりした分別をもっていないさま。たわいない。
③ 正気を失って愚かしいさま。
④ 自分のことについて、満足できる状態でないさま、分別のたりないさまであると卑下していう。
うつつな‐げ
〘形動〙
うつつ‐な【現無】
※車屋本謡曲・蝉丸(1430頃)「実(げに)さか髪の影うつる。水をかがみとゆふ浪の、うつつなの我が姿や」
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