分別(読み)ふんべつ(英語表記)vikalpa

  • fractionation
  • ふんべち
  • ぶんべつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

仏教用語。思惟 (しゆい) ,計度 (けたく) とも訳される。『阿毘達磨倶舎論』では,(1) 自性分別,すなわち直覚作用のこと,(2) 計度分別,すなわち判断推作用のこと,(3) 随念分別,すなわち過去のことを心に銘記する追想記憶作用のことの3種に分けて説明し,また意識は,三分別すべてを有しているので有分別であると説明している。大乗仏教では,凡夫の分別は,真実のものではなく妄分別であるとしており,正しい真如の理を悟ることは,無分別智を得なければならないとしている。
化学的,物理的性質のよく似た物質が混合しているとき,それらを分離する操作。溶解度の差を利用した分別結晶,溶解度や沈殿析出の速度の差を利用した分別沈殿,揮発性の差を利用した分別蒸留や分別昇華,さらに吸着力の差を利用したクロマトグラフィー,非混合液体間における分配係数の差を利用した溶媒抽出および向流分配法など多くの方法がある。またアイソトープの分離には熱拡散平衡の分子量依存性を利用した熱拡散法,あるいは遠心力を利用するガス遠心分離法が行われることがある。

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デジタル大辞泉の解説

[名](スル)
道理をよくわきまえていること。また、物事の善悪・損得などをよく考えること。「分別のないことを言う」「よく分別して態度を決める」
仏語。もろもろの事理を思量し、識別する心の働き。
[名](スル)種類によって分けること。区別すること。また、その区分。「家庭のごみを分別する」

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精選版 日本国語大辞典の解説

※色葉字類抄(1177‐81)「分別 評定分 フンヘチ」
〘名〙
① 仏語。心の働きが対象を思惟し計量すること。知識による理解。または誤った理解、認識としての凡夫の妄分別にもいう。
※栂尾明恵上人伝記(1232‐50頃)上「諸法の実理におきては実の如く分別する事無なり」 〔勝鬘経‐顛倒真実章〕
② 物事をわきまえること。物事の道理、善悪、損得などを考えること。
※中右記‐永久二年(1114)四月六日「仰云、尤可制止、但可制事不制事、慥分別可下知者」
〘名〙
① 種類によって分けること。種類によって、区別したり区分したりすること。また、それらの区別や区分。
※東寺百合文書‐に・文安三年(1446)九月日・東寺雑掌二問状案「以領家職為寺領之由捧証文之処、不及地頭領家之分別、只寺家監吹之由言上之条、偏姧曲之至也」 〔荀子‐非相〕

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