ふん‐べつ【分別】
〘名〙
① 仏語。心の働きが
対象を思惟し計量すること。
知識による
理解。または誤った理解、
認識としての
凡夫の妄分別にもいう。
※栂尾明恵上人伝記(1232‐50頃)上「
諸法の
実理におきては実の如く分別する事無なり」 〔
勝鬘経‐顛倒真実章〕
② 物事をわきまえること。物事の道理、
善悪、損得などを考えること。
※中右記‐永久二年(1114)四月六日「仰云、尤可二制止一、但可レ制事不レ可レ制事、慥分別可二下知一者」
ぶん‐べつ【分別】
〘名〙
①
種類によって分けること。種類によって、
区別したり
区分したりすること。また、それらの区別や区分。
※
東寺百合文書‐に・文安三年(1446)九月日・東寺雑掌二問状案「以領家職為寺領之由捧証文之処、不及地頭領家之分別、只寺家監吹之由言上之条、偏姧曲之至也」 〔
荀子‐非相〕
ふん‐べち【分別】
※
色葉字類抄(1177‐81)「分別 評定分 フンヘチ」
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デジタル大辞泉
「分別」の意味・読み・例文・類語
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分別
ふんべつ
vikalpa
仏教用語。思惟 (しゆい) ,計度 (けたく) とも訳される。『阿毘達磨倶舎論』では,(1) 自性分別,すなわち直覚作用のこと,(2) 計度分別,すなわち判断推理作用のこと,(3) 随念分別,すなわち過去のことを心に銘記する追想記憶作用のことの3種に分けて説明し,また意識は,三分別すべてを有しているので有分別であると説明している。大乗仏教では,凡夫の分別は,真実のものではなく妄分別であるとしており,正しい真如の理を悟ることは,無分別智を得なければならないとしている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
普及版 字通
「分別」の読み・字形・画数・意味
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