環境可能論(読み)かんきょうかのうろん(その他表記)environmental possibility

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「環境可能論」の意味・わかりやすい解説

環境可能論
かんきょうかのうろん
environmental possibility

人間と自然環境との関係において,人間の主体性を重視し,自然は可能性を与えるが生活や活動の決定を行うのは人間自身であると主張する環境論の一つの立場で,環境決定論に対する。 F.ラッツェルを祖とするドイツ学派に対し,フランス学派の P.ビダル・ド・ラ・ブラーシュの立場を明確にするため,社会経済史家 L.フェーブルが名づけた。ブラーシュの理論を受継いだ J.ブリュンヌは,人間の役割を重視するあまり心理的要因をも問題にしたので,心理的相対主義者という批判を受けた。しかし今日では,環境可能論は地理学思想の基本概念となっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む