代数系を生成する要素,特に群の場合に使われる。群 G の部分集合を S とする。G の元 a,b の積を ab で表す。ここで一つの元 a について a が m 個の積を am と書き,これを a のべき(冪または巾とも書く)という。また(a-1)m=a-m,a0=e(単位元)とする。S の任意の元 a1,a2,…,ar の任意のべきの積 a1m1a2m2…armr(m1,m2,…,mr は整数)として表される G の元全体を〈S〉で表せば,〈S〉は G の部分群となる。特に〈S〉=G となるとき,G は S で生成されるといい,S の元を G の生成元という。G がアーベル群のときは,積を和の形で書くと,〈S〉は m1a1+m2a2+…+mrar の形で表される G の元全体として定義される。特に S がただ一つの元 a からなる集合{a}であれば,〈S〉は am(m は整数)の形に書ける G の元全体からなる巡回群となる。このとき,巡回群〈S〉の生成元は a である。