生成元(読み)せいせいげん(その他表記)generator

翻訳|generator

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「生成元」の意味・わかりやすい解説

生成元
せいせいげん
generator

代数系を生成する要素,特に群の場合に使われる。群 G の部分集合S とする。G の元 ab の積を ab で表す。ここで一つの元 a について am 個の積を am と書き,これを aべき(冪または巾とも書く)という。また(a-1ma-ma0e(単位元)とする。S の任意の元 a1a2,…,ar の任意のべきの積 a1m1a2m2armrm1m2,…,mr整数)として表される G の元全体を〈S〉で表せば,〈S〉は G の部分群となる。特に〈S〉=G となるとき,GS で生成されるといい,S の元を G の生成元という。Gアーベル群のときは,積を和の形で書くと,〈S〉は m1a1m2a2+…+mrar の形で表される G の元全体として定義される。特に S がただ一つの元 a からなる集合{a}であれば,〈S〉は amm は整数)の形に書ける G の元全体からなる巡回群となる。このとき,巡回群〈S〉の生成元は a である。

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