(読み)よう

普及版 字通 「甬」の読み・字形・画数・意味


7画

[字音] ヨウ・トウ
[字訓] おけ

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
上部にけるところのある筒形の器、桶の初文。〔説文〕七上に「艸木の、甬甬然たり」と花の開くさまをいうとし、「(かん)に從ひ、用(よう)聲」とするが、全体が象形の字である。七上に「(ふく)むなり。艸木の未だ發(ひら)かず、然(かんぜん)たるなり」とあって、華の咲ききらぬ意とし、甬をその開くさまをいうとするが、字形的にも(かん)と関係のある字ではない。金文の〔毛公鼎〕の車服賜与の中に「金甬」があり、車の軛端につける鈴飾りの吉陽甬(きちようよう)をいう。甬はその小鈴の象形。〔後漢書、輿服志上〕に字をに作るが、甬がその初文である。

[訓義]
1. おけ、おけの初文。
2. 鐘の柄、鈴形の鐘。
3. 花の開くさま、甬々。
4. 踊と通じ、おどる。

[声系]
〔説文〕に甬声として(通)・踊・誦・桶・俑・涌・など十一字を録する。(ゆう)は(勇)の古文。上下に直通するような状態のものをいう。

[語系]
甬・踊・涌・蛹・)jiongは同声。甬に筒形のもの、上下に動くものの意があり、みな甬の声義を承ける。

[熟語]
甬道甬路

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【梵鐘】より

…中国鐘には鐘身の裾がヨーロッパのベルのように開き,波状などに作るものがある。また朝鮮鐘は袈裟襷がなく,鈕の竜頭(りゆうず)後方に装飾的な筒(旗挿または甬(よう))を付すものが多い。なお現存する梵鐘のうち,在銘の最古のものは,中国,南北朝陳の太建7年(575)銘のもの(奈良国立博物館)で,和鐘では戊戌年(698∥文武2)の銘をもつ京都妙心寺の鐘,朝鮮では唐の開元13年(725)銘の上院寺鐘が古い。…

※「甬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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