申遣(読み)もうしつかわす

精選版 日本国語大辞典 「申遣」の意味・読み・例文・類語

もうし‐つかわ・す まうしつかはす【申遣】

〘他サ四〙
① 告げ知らせる、言ってやるの意をへりくだり丁重に言う。
※新古今(1205)秋下・五四三・詞書「嵐の山のもみぢなみだにたぐふよし、申つかはしてはべりける人のかへりごとに」
② 上位者・官の命として、言ってやるの意を重々しく言う。
太平記(14C後)二七「師直近国の地頭御家人相触て、討奉れと申遣(ツカハ)したりければ」
③ 「言い遣る」を多少あらたまった口調で言う。
浮世草子好色一代男(1682)一「あすは妹のもとへ申遣し、京でも大笑ひせさせんと」

もうし‐や・る まうし‥【申遣】

〘他ラ四〙
① (「言い遣る①」の謙譲語) お知らせ申しあげる。歌など詠んでお送りする。
たまきはる(1219)「さぶらひあはるる人々にも、御いのりの事をのみ申やりしかど」
② (「言い遣る③」の謙譲語) 口に出して申しあげる。
大鏡(12C前)二「申やるかたなくうれしく候」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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