男性ホルモン剤(読み)だんせいほるもんざい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「男性ホルモン剤」の意味・わかりやすい解説

男性ホルモン剤
だんせいほるもんざい

男性ホルモン(アンドロゲン)を製剤としたもの。男性ホルモンは、睾丸(こうがん)の間質細胞から分泌されるテストステロンが本体で、このほか副腎(ふくじん)皮質からも分泌される。テストステロンは消化管からよく吸収されるが、肝臓で代謝され不活性化されるので、注射剤としてのみ応用される。しかも効果の持続性が短いので、エナント酸テストステロン、シビオン酸テストステロン、プロピオン酸テストステロンとしてデポ化した(持効力をもたせた)油性注射剤が臨床に用いられている。内用剤としては、肝臓で分解されにくいメチルテストステロンおよびフルオキシメステロンが合成され、使用されている。適応症は、原発性および続発性男性ホルモン欠乏症すなわち男性性器機能不全、造精機能障害による男性不妊症、そのほか乳癌(にゅうがん)、乳腺(にゅうせん)症であり、プロピオン酸ドロスタノロンは乳腺症にのみ適応される。男性ホルモンはタンパク同化作用をも有しており、この作用の強力なステロイドが続々と合成され、多くのタンパク同化ステロイドが市販されるようになった。

[幸保文治]

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