精選版 日本国語大辞典 「痂せ」の意味・読み・例文・類語
かせ【痂・悴】
- [ 1 ] ( 動詞「かせる(痂)」の連用形の名詞化 ) はれものが乾いて、かさぶたになったもの。〔医案類語(1774)〕
- [ 2 ] 〘 接頭語 〙 ( 悴 ) やせた、貧しいの意にいう。また、自分に関わるものをへりくだって言う。「かせくび(悴首)」「かせざむらい(悴侍)」「かせじょたい(悴所帯)」など。
- [初出の実例]「此の年月かせ奉公をもしつらめ」(出典:三国伝記(1407‐46頃か)一一)
痂せの語誌
[ 二 ]は、室町時代から江戸前期にかけて用いられた。江戸時代に入ると、動詞「かせる」は「や(痩)せる」に吸収されていき、それとともに、接頭語「かせ」もまた、「やせ」に吸収されていく。