病ます(読み)やます

精選版 日本国語大辞典 「病ます」の意味・読み・例文・類語

やま‐・す【病】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙 体を打つ。痛めつける。打ってこらしめる。
    1. [初出の実例]「シシャウ デシヲ yamasuru(ヤマスル) コトワ ニクンデデワ ナイ」(出典:天草版金句集(1593))
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行四段活用 〙
    1. [ 一 ]に同じ。
      1. [初出の実例]「あをのいてしたたかあたまをやまして、ほうべらのあぎとをうつるぞ」(出典:玉塵抄(1563)二二)
    2. 痛める。病む。
      1. [初出の実例]「この旧平は恒にこれ等の事を以てこの湯鑵頭(やくゎんあたま)を病(ヤマ)すことでござる」(出典:開化問答(1874)〈小川為治〉二)

病ますの語誌

もともと動詞「病む」に使役助動詞「す」の付いたもので、病むようにするの意から転じて、打つ・たたくなどの意を表わすようになったと見られる。早くから四段にも活用し、特に和泉流の「天理本狂言」では四段化した例のほうが多い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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