精選版 日本国語大辞典 「痴痴」の意味・読み・例文・類語
しれじれ‐し【痴痴】
- 〘 形容詞シク活用 〙 ( 「しれしれし」とも )
- ① おろかである。ばかげている。
- [初出の実例]「思ひ寄らざりける事よと、しれしれしき心地す」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)
- ② とぼけている。そらぞらしい。
- [初出の実例]「誰が文を、誰かとらせしといへど、ともかくもいはで、しれじれしう笑みて走りにけり」(出典:枕草子(10C終)一三八)
痴痴の派生語
しれじれ‐げ- 〘 形容動詞ナリ活用 〙
痴痴の派生語
しれじれ‐さ- 〘 名詞 〙
しれ‐じれ【痴痴】
- 〘 副詞 〙 ( 「しれしれ」とも。「と」を伴って用いることもある ) いかにもとぼけた様子、また、おろかに見える様子を表わす語。
- [初出の実例]「誰か文を誰かとらせしぞと言へば、しれしれと打笑みて」(出典:能因本枕(10C終)一四一)
おこおこ‐しをこをこ‥【痴痴】
- 〘 形容詞シク活用 〙 ( 「おこ(痴)」を重ねたものの形容詞化 ) ばかばかしい。ばかげている。
- [初出の実例]「をこになりぬ。おこおこしくなるなり。あなづらはしくなる心なり」(出典:花鳥余情(1472)五)