発く(読み)あばく

精選版 日本国語大辞典 「発く」の意味・読み・例文・類語

あば・く【発・暴】

  1. 〘 他動詞 カ行五(四) 〙 隠されたもの、中にこもっているものなどを開いてあらわにすることをいう。
  2. 土を掘って、中から物を出す。発堀する。
    1. [初出の実例]「墳陵を掘(アハイ)破りつ」(出典:白氏文集天永四年点(1113)四)
  3. 閉じたもの、束縛されたものなどを、開く、くずす、また、斬り放つ。
    1. [初出の実例]「はやくしばらんとするにこそと思て、剣をぬきてこれをあばくに、葛みなきられてのきにけり」(出典:古今著聞集(1254)一七)
  4. 雲や霞などをおし開く。
    1. [初出の実例]「万里の山川、煙霞を撥(アハイ)て影を進む」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝院政期点(1080‐1110頃)六)
  5. 人の秘密、失敗、悪事などを探って明るみに出す。暴露する。
    1. [初出の実例]「訐(アハク)群臣之徳失〔顔氏〕」(出典:書陵部本名義抄(1081頃))
    2. 「妻君は飛んだ所で旧悪を暴く」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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