…加賀俳壇から出た千代女の名も忘れがたい。和歌の方面では祇園の三才女といわれた梶,百合,玉瀾,県門(賀茂真淵門下)の三才女といわれた鵜殿よの子,油谷倭文子(ゆやしずこ),土岐筑波子のほか,桂門(香川景樹門下)の柳原安子,高畠式部らが活躍した。荒木田麗は《池の藻屑》以下の歴史物語を著述したほか,物語・紀行・連歌等にも多彩の麗筆を振るった才女である。…
…真淵はわが子のようにかわいがったが,わずか20歳の若さで惜しまれつつ世を去った。真淵には女弟子が少なくなかったが,倭文子は,鵜殿よの子,土岐(進藤)筑波子(つくばこ)とともに県門(あがたもん)の三才女と称せられた。家集に《文布(あやぬの)》がある。…
※「県門の三才女」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」