朝日日本歴史人物事典 「鵜殿余野子」の解説
鵜殿余野子
生年:生年不詳
江戸中期の歌人。別称清子。瀬川,凉月院と号す。儒学者鵜殿士寧の妹。享年60余歳という。紀州徳川家中屋敷に仕え,世子宗将と正室富宮に近侍する女性歌人の中心となった。和歌は賀茂真淵門。同門では士岐筑波子,油谷倭文子と並び称され,「三才女」と呼ばれることも多い。兄の士寧の影響を受け詩文の才もあったと伝えられる。家集『佐保川』『凉月遺草』。<参考文献>丸山季夫「村尾家系譜」(『国学史上の人々』),中村幸彦「紀伊殿の閨秀歌人達」(『中村幸彦著述集』12巻)
(久保田啓一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報