短期現役兵(読み)たんきげんえきへい

改訂新版 世界大百科事典 「短期現役兵」の意味・わかりやすい解説

短期現役兵 (たんきげんえきへい)

兵役法に定められた師範学校卒業者に対する兵役上の特典。1889年の徴兵令大改正ののち,師範学校の卒業証書を有する満28歳以下の官公立小学校教員は6週間現役に服したのちただちに国民兵役に編入する6週間現役兵制が創設された。当時一般の兵役が現役3年,予備役4年3ヵ月,後備役5年の服役後に国民兵役に編入される制であったことにくらべると大変な特典であった。この制は1918年に1年現役兵に改められた。27年の兵役法により,さらに短期現役兵の制に改められた。現役2年,予備役5年4ヵ月,後備役10年ののち第一国民兵役編入という一般の兵役制に対し,満25歳までの師範学校卒業者は5ヵ月(学校教練未了者は7ヵ月)現役に服したのち第一国民兵役に編入する制で,兵役義務というより義務教育に従事する教員養成教育の必修課程という意味が大きかった。短期現役兵は39年に廃止された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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