日本歴史地名大系 「石火郷」の解説 石火郷いしびごう 静岡県:伊豆国那賀郡石火郷「和名抄」諸本にみえる郷名。訓を欠くが、イシビか。天平七年(七三五)九月一一日の平城京跡出土木簡(「平城宮木簡概報」二二―二八頁)に「那賀郡石火郷」とみえる。現松崎(まつざき)町石部(いしぶ)は石火が転訛したとされ、石部が遺称地と考えられる。石部には式内社伊志夫(いしぶ)神社に比定される同名社が所在する。比定地は現松崎町道部(みちぶ)・岩科南側(いわしななんそく)・岩科北側(いわしなほくそく)・石部・岩地(いわち)・雲見(くもみ)から南伊豆町伊浜(いはま)・子浦(こうら)・妻良(めら)とする説(大日本地名辞書)もあるが、松崎町道部・岩科北側・岩科南側は「和名抄」にみえない射鷲(いわし)郷に、南伊豆町伊浜・子浦・妻良は同じく入間(いるま)郷に比定されるので、それ以外の松崎町石部・岩地・雲見付近であろう。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by