石見国惣田数注文(読み)いわみのくにそうでんすうちゆうもん

日本歴史地名大系 「石見国惣田数注文」の解説

石見国惣田数注文
いわみのくにそうでんすうちゆうもん

一枚

成立 貞応二年三月

写本 東京大学史料編纂所など

解説 鎌倉幕府の命で作成された石見国六郡の庄郷六四ヵ所・一千四七六町三〇〇歩の庄園・公領別田数を郡単位に記した大田文。建保六年に作成・提出された大田文の不備を補うため、庄園の惣検注を踏まえて再度提出し直されたもので、公領部分は建保六年の検注田数をそのまま記載。複合的な構成をとる庄園・公領についてはさらにその内部単位についても記載。この写本は永正四年に益田氏によって筆写されたものであるが、各所領の名称や領主の変動などについて記した貞応二年以後の追筆部分をも含め一筆で記され、利用に際してはその弁別に留意する必要がある。

活字本 「鎌倉遺文」第五巻に石見国田数注文(益田家文書)として活字化されているが、その改訂版ともいうべきものが「山陰史談」一八に載る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の石見国惣田数注文の言及

【石見国】より

…まず国衙領についてみると,1063年(康平6)清原頼行が久利郷司職に補任されたのを史料的初見として,すでにこの当時から国衙領の中世的再編が進められつつあったことが知られる。1223年(貞応2)の《石見国惣田数注文》によると,4対3の割合で国衙領のほうが荘園より多いこと,国衙領は国府所在地たる那賀郡をはじめ安濃郡・吉賀(鹿足)郡などで圧倒的な比重を占め,全体に別符の多いことなどが特徴である。一方,荘園は少数ながら大規模なものが美濃郡や邇摩郡・邑智(知)郡などに存在する。…

※「石見国惣田数注文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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