公領(読み)コウリョウ

デジタル大辞泉 「公領」の意味・読み・例文・類語

こう‐りょう〔‐リヤウ〕【公領】

朝廷国衙こくが幕府などの領地江戸時代には、天領にもいった。⇔私領

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精選版 日本国語大辞典 「公領」の意味・読み・例文・類語

く‐りょう‥リャウ【公領】

  1. 〘 名詞 〙 公の所有する領地。特に、国司の管理する土地荘園に対する語。こうりょう。⇔私領
    1. [初出の実例]「非指庄号之地、有限国保、勿論之公領也」(出典吾妻鏡‐文治三年(1187)四月二三日)

こう‐りょう‥リャウ【公領】

  1. 〘 名詞 〙 朝廷、または官府の領地。江戸時代には幕府の領地もいった。天領。⇔私領
    1. [初出の実例]「諸侯を滅して天下の土地を天子の公領とす」(出典:随筆・秉燭譚(1729)二)

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百科事典マイペディア 「公領」の意味・わかりやすい解説

公領【こうりょう】

公権力の支配対象である土地。大化改新後の公地公民制の下では全国が公領であったが,平安時代に私領として荘園が公権力を排除するに至って,国司の支配地のみが公領と呼ばれた。中世には一般に国衙(こくが)領と呼ばれ,近世には天領異称
→関連項目一円知行大番舎人下文名・名田役夫工米

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「公領」の解説

公領
こうりょう

朝廷,国司(国衙(こくが))が支配し,官物雑役を賦課する領地。私領に対する語。平安中期の国衙行政権の再編にともない,国衙は国内の土地すべてを把握したが,それと並行する免除領田制成立で国図記載によって官物などを免除された荘田とそれ以外の公田との区別がなされた。この荘田を私領とよび,公田を公領とよぶ。平安後期以降,荘田の多くが領域型荘園となるにともなって,公田もほぼそれと同質の国衙領となった。

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旺文社日本史事典 三訂版 「公領」の解説

公領
こうりょう

国衙 (こくが) 領

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世界大百科事典(旧版)内の公領の言及

【国衙領】より

…中世において,荘園とならず諸国の国衙が支配した公領。国領とも称した。…

※「公領」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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