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砺波志留志(読み)となみのしるし

改訂新版 世界大百科事典 「砺波志留志」の意味・わかりやすい解説

砺波志留志 (となみのしるし)

8世紀に活躍した越中国砺波郡の豪族生没年不詳。747年(天平19)米3000碩を東大寺盧舎那仏の知識に献じ,無位から外従五位下に叙せられた。《東大寺要録》では米5000石とある。759年(天平宝字3)11月14日付の〈越中国諸郡荘園惣券〉および開田地図には,砺波郡所在の東大寺領伊加留伎野地の南に彼の土地の存在が記されているが,767年(神護景雲1)には墾田100町を同寺に献じて従五位上を授けられ,同時に越中員外介に任じられて同国内の東大寺墾田地の検校に携わっている。このように彼は東大寺との関係を軸に中央政界へ進出し,それによって在地での勢力の維持・拡大をはかっていくが,《越中国官倉納穀交替記》にみえる歴代の郡司名や《越中石黒系図》にも彼の名はみえず,譜代郡領氏である砺波臣氏の中でも傍流であったことが,彼にそのような道を選ばせたものであろう。779年(宝亀10)の伊賀守への任官を最後に史料から姿を消している。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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