硬組織(読み)コウソシキ

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最新 地学事典 「硬組織」の解説

こうそしき
硬組織

hard tissue

生物体を構成する骨・軟骨・歯・殻・骨片骨格などの硬い組織。ふつう鉱物質(生体鉱物)を主とするが,有機物の基質などを含み,有機物のみからなるものもある。原生生物では細胞壁や細胞内に,植物では葉の表皮細胞に,無脊椎動物では主に上皮細胞層によって,脊椎動物では主に間葉細胞によって形成される。珪藻類ではSiO2, クワ科などの葉の鍾乳体では非結晶のCaCO3とSiO2, いわゆる石灰藻有孔虫の殻,サンゴ類の骨格,軟体動物の貝殻,節足動物の甲羅,脊椎動物の耳石・卵殻などは方解石・あられ石,脊椎動物の歯・骨などはりん灰石で構成されている。このうち,鉱物質でつくられているものを鉱物化組織(mineralized tissue),炭酸カルシウムやリン酸カルシウムからなるものを石灰化組織(calcified tissue)と呼ぶ。有機基質は,無脊椎動物では,コンキオリン(軟体動物)やゴルゴニン(八放サンゴ類)などの硬蛋白質,キチン-蛋白質複合体(甲殻類),キチン質(六放サンゴ類),脊椎動物では,コラーゲン(骨・象牙質など),コンドロイチン硫酸(軟骨・卵殻),エナメル蛋白質エナメル質)などである。また,有機物だけでつくられているものに,植物組織(セルロース・リグニン),昆虫などのキチン質の外層,脊椎動物の毛・羽毛・角鱗・爪・角などのケラチンからなる角質組織(keratinous tissue)などがある。また,正常なもののほかに,尿石・胆石,その他の石灰変性など病的な硬組織がある。硬組織は化石として保存されることが多く,その中に有機物や細胞を含むことがあり,その形成機構の進化の解明など,古生物学の重要な研究対象とされている。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の硬組織の言及

【古生代】より

…なお,石炭紀の場合,アメリカではこれを二分し,下位のミシシッピ紀Mississippianと上位のペンシルベニア紀Pennsylvanianとすることが多い。 古生代の特色は,地質時代において最初に硬組織hard tissue,すなわちキチン質や石灰質の骨格構造(主として殻)をもつ顕微鏡サイズより大型の生物が出現したことである。それ以前の先カンブリア時代のうち生命が発現してからの約30億年間は,微細な無殻の原始生物ばかりであったため隠生累代と呼ばれる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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