甲羅(読み)コウラ

デジタル大辞泉 「甲羅」の意味・読み・例文・類語

こう‐ら〔カフ‐〕【甲羅】

《「ら」は接尾語カメカニなどの背中部分を覆う硬い殻。甲。
人の背中。
《「功」「劫」にかけて》年の功。長い経験。

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精選版 日本国語大辞典 「甲羅」の意味・読み・例文・類語

こう‐らカフ‥【甲羅】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ら」は接尾語 )
  2. (かめ)、蟹(かに)などのからだの背中をおおっている堅い殻。
    1. [初出の実例]「弁天、火のこをおそれ給ひ、前の池へ飛こみ給へば、甲(コウラ)の上へあがらせ給ふ」(出典:咄本・座笑産(1773)弁天)
  3. ( 功、劫(こう)にかけて ) 年の功。劫臈(こうろう)。→甲羅を経る
    1. [初出の実例]「御覧なさりませ未だ鬢(びん)の間に角(つの)も生へませず、其やうに甲羅(カウラ)は経ませぬとてころころと笑ふを」(出典:にごりえ(1895)〈樋口一葉〉二)
  4. 年をとって、ずるくなったり、考え方に柔軟さがなくなったりすることのたとえ。→甲羅が生える
    1. [初出の実例]「偽善といふのは酷かも知れないが、甲(カフ)らが硬くなるには違ひないね」(出典:青年(1910‐11)〈森鴎外〉二〇)
  5. 人間などの背中をたとえていう。→甲羅を干す
  6. 和船の船底材の𦨞(かわら)のこと。

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改訂新版 世界大百科事典 「甲羅」の意味・わかりやすい解説

甲羅 (こうら)

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世界大百科事典(旧版)内の甲羅の言及

【甲】より


[無脊椎動物の甲]
 節足動物門甲殻綱の十脚目(エビ,カニ類),アミ目,オキアミ目,口脚目(シャコ類)などでは,頭部と胸部が1枚の厚い外皮で覆われているが,これをとくに甲あるいは甲皮carapaceと呼ぶ。甲殻または頭胸甲とも呼ぶが,口語では甲羅がわかりやすい。また,とくに背甲と呼んで,胸部や体側を覆う外皮と区別することもある。…

※「甲羅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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