化学辞典 第2版 「磁場効果」の解説
磁場効果
ジバコウカ
magnetic field effect
化学反応や物理化学過程が磁場により影響を受けること.古くは,ヨウ素ガスの前期解離や水素分子のオルト-パラ変換に対する磁場効果が知られているが,液相での有機化学反応に対して観測されることもある.ラジカル対やビラジカルを中間体とする反応では,一重項と三重項のスピン多重度の変換速度が磁場により影響され,反応経路が制御されることになる.磁場強度のほか,ラジカル対の溶媒への散逸速度やラジカルの再結合の速度などの要因が備わってはじめて可能となる.気相における励起エネルギー移動に対しても,蛍光スペクトルを通して磁場効果が現れることが知られている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報