デジタル大辞泉
「速度」の意味・読み・例文・類語
そく‐ど【速度】
1 物事の進む速さ。スピード。「一定の速度で歩く」「制限速度」
2 単位時間に進んだ距離に方向を合わせたベクトル量。運動する物体の単位時間当たりの位置の変化を表す。単位にはメートル毎秒のほか、ノットが用いられる。
[用法]速度・速力・速さ――「速度(速力・速さ)を一定に保つ」など、進む程度を表す語としては相通じて用いられる。◇「速度」は自動車など物体が単位時間内に移動する距離の大小についていうほかに、機械などが単位時間内にする仕事の量の大小についても用いる。「高速道路を一〇〇キロの速度で走る」「この機械は一分間に百部の速度で製本する」◇「速力」は一般に、移動する距離の大小について表す。「この列車は現在時速二二〇キロの速力で走っております」◇「速さ」は最も普通に使われ、移動の距離についても仕事の量についても用いる。「飛ぶような速さで通り過ぎた」
[類語]速さ・スピード・ペース・ピッチ・テンポ・速力
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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そく‐ど【速度】
- 〘 名詞 〙
- ① 物体が単位時間に動く距離。物事の進むはやさの度合。すすみゆくはやさ。はやさ。
- [初出の実例]「そんな速度で、みんな禿げたら」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉四)
- ② 運動している物体の位置の変化を表わす量。ベクトル量で、その大きさは速さに等しく、方向は経路の接線の方向で、運動の向きに等しい。
- [初出の実例]「二体恒に交互の関係を相なすとき、譬へば其一体恒に square の増に於て進むとし、或時一体の速度を知れり」(出典:百学連環(1870‐71頃)〈西周〉一)
- ③ ある量の時間的変化の割合。反応速度や角速度など。
- ④ 音楽の用語。楽曲を演奏する速さ。テンポ。〔中等教育教科用楽典(1904)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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速度
そくど
velocity
日常生活では、速さspeedと同じ意味で使われるが、物理学では運動の方向と単位時間内に動く距離をさす。したがって速度はベクトル量であり、しばしば速度ベクトルとよばれる。速さは速度ベクトルの大きさをさすのに用いられる。数式では速度ベクトルは、ある瞬間における物体の位置ベクトルr(t)の単位時間に関する変化率
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で与えられ、その方向は軌道の接線と同じである。物体の運動は大きく等速直線運動(または等速度運動)と加速度運動に分けられる。ニュートンの法則に従って、前者では物体に外から力が作用していないが、後者ではかならずなんらかの外力が作用している。等速円運動は速さが一定であるが、速度ベクトルの向きが絶えず変化しているので後者の例である。これは向心力の存在によるものであるが、このように速度ベクトルの使用は三次元空間における物体の運動の記述、分類に有用である。
速度ということばは、位置の時間変化だけでなく、広く他の量の時間変化を表すためにも用いられる。たとえば角速度、面積速度などである。前者は回転角度の時間変化であり、半径r、速さvの等速円運動の場合にはv/rで与えられ、一定である。後者は、運動する物体と力の中心とを結ぶ直線が単位時間につくる扇形の面積のことで、物体のもつ角運動量に比例する。これらの一般的な速度に対して、狭義の速度のことを線速度ということもある。
[阿部恭久]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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速度 (そくど)
velocity
乗物などで速度というときには,単位時間(1時間とか1秒)に動く距離を表すことが多く,速さ(スピード)と区別しない。しかし,物理学で運動を論ずるときには,これにその運動の方向(各瞬間における軌道の接線の方向)と向きを付与してベクトル量としたものを速度と呼び,その大きさを速さと呼んで区別する。物体(正しくは質点)の位置を表すベクトルrは時間tの関数とみられるので,これをr(t)と記すと,速度Vは,
で定義される。
執筆者:小出 昭一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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速度【そくど】
運動する物体の位置の時間的変化の割合。大きさと方向をもつベクトルで表され,その大きさを速さと呼んで区別する。また距離以外の量についてもその時間的変化の割合を速度ということがある(角速度,反応速度など)。→速度計
→関連項目運動(物理)|加速度
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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普及版 字通
「速度」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の速度の言及
【運動】より
…さてギリシア的な強制運動の理論と,近代力学のそれとの根本的な差は,運動力が運動体に何を与えるか,という問題である。前者はそれを運動そのもの(つまり〈速さ〉)と考え,後者はそれを運動の変化(つまり〈加速度〉)と考えているからである。近代力学の成立はニュートンの運動法則の成立に重なるといってよいが,アリストテレスからニュートンまでの2000年の時間のなかで,古代世界,ビザンティン,イスラム,中世ヨーロッパを経て熟成した運動概念についてのさまざまな研究の歴史の延長上に,ニュートンの運動法則が存在する。…
※「速度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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