磁殻(読み)じかく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「磁殻」の意味・わかりやすい解説

磁殻
じかく

磁石の板であり、N極S極は板の表と裏の面に現れる。磁気二重層ともいう。磁殻ではその周囲の縁の形のみが重要で、その中の面の形にはとくに意味はない。磁殻の重要性は、実際上のものよりむしろ理論上のものである。電流回路に電流が流れるとその周囲に電流に比例する磁界磁場)が生ずる。この磁界は、電流回路と周囲の形が同じ磁殻がつくる磁界と同じである。ただし、磁殻の単位面積当りの磁石としての強さは、電流Iと等しくなければならない。この関係を利用して、一つの磁界をつくっている電流回路を磁石に置き換え、また、磁石を電流回路に置き換えて考えることができる。

[山口重雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の磁殻の言及

【磁気二重層】より

…磁殻ともいう。厚さの方向に磁化した薄い磁石板のことで,一方の面にN極,もう一方の面にS極を生じているので,こう呼ばれる。…

※「磁殻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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