磯之森貝塚(読み)いそのもりかいづか

精選版 日本国語大辞典 「磯之森貝塚」の意味・読み・例文・類語

いそのもり‐かいづか ‥かひづか【磯之森貝塚】

岡山県倉敷市粒江、通称磯之森にある、縄文時代前期の貝塚

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「磯之森貝塚」の意味・わかりやすい解説

磯之森貝塚
いそのもりかいづか

岡山県倉敷市粒江(つぶえ)町東粒江字森にある縄文時代前期の貝塚。児島山塊の北麓(ほくろく)、水田面との比高が約2メートルの台地北東端に位置している。古くから知られている貝塚で、貝層中から縄文時代の人骨をはじめ、前期縄文土器の各型式、石器、骨角器、貝輪などが発見されている。なかでも爪形文(つめがたもん)と羽状(うじょう)縄文によって飾られたこの貝塚の代表的な土器は、瀬戸内の縄文時代前期中葉を代表する土器として磯之森式土器の名称でよばれている。またこの貝塚下層からは刺突文(しとつもん)内面条痕(じょうこん)の施された前期前半の土器が、上層からは突帯(とったい)文のついた前期後半の土器が発見され、この地区の前期文化移行の姿が明らかにされた。前期以降の土器も発見されている。

[鎌木義昌]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android