縄文(読み)じょうもん

精選版 日本国語大辞典 「縄文」の意味・読み・例文・類語

じょう‐もん【縄文】

〘名〙 縒紐(よりひも)を粘土上に押しつけてつくった文様狭義には手法的に回転縄文をさし、文様としては斜行縄文が一般的。この手法は、縄文土器だけではなく、彌生土器にも伝承。縒紐の組み合わせによって、各種の文様がつくられている。縄蓆文(じょうせきもん)

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デジタル大辞泉 「縄文」の意味・読み・例文・類語

じょう‐もん【縄文】

りひもを、押しつけたり転がしたりしてつけた土器の文様。

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改訂新版 世界大百科事典 「縄文」の意味・わかりやすい解説

縄文 (じょうもん)

土器に施された縄目文様総称。世界の先史時代土器および民族例などにあるが,とくに日本の縄文土器に顕著にみられ,山内清男(やまのうちすがお)の総合的な研究がある。施文原体の種類と施文法の組合せによって多数の変化をつくる。原体は繊維を撚(よ)り合わせた撚紐,撚紐を軸に巻き付けた絡条体に二大別される。右撚り(R)と左撚り(L)の呼び方は国や民族によって逆の場合があり,時計回り・逆時計回り,あるいはS撚り・Z撚りの区別が有効である。また片撚(0段)から1段,2段,多段のほかに,段数または太さの異なる撚紐を撚り合わせる異条原体や正反の合,撚らずに一方を軸にして巻き付けたり,撚り合わせた一方をしごき上げる自縄自縛紐または巻紐,3本以上を撚り合わせる多条原体などがある。絡条体の軸は丸棒を普通とするが,角柱状,半截竹管状の類があり,竹管を縦に割いた多軸のものもある。単純に一方向に巻き付けるものを基本とし,往復して網目に巻く類,いちいちからげて結び目を作りながら巻く類,軸の中央から両端に向かって巻き進む類などがある。施文方法には原体の先端側面を器面に押圧してその圧痕の変化を表す方法と,器面上を回転させてその軌跡の変化を表す方法,および中間的方法の半置半転法がある。器面上における原体の位置関係(縦,横,斜め)によっても,さらに変化を生ずる。なお,巻貝やウリ科植物の茎の回転,あるいは櫛歯状工具の押圧痕など,縄文に似て非なる擬縄文がある。
縄文土器
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「縄文」の意味・わかりやすい解説

縄文
じょうもん

撚りをかけた紐 (縄) を用いて模様をつけた土器文様の総称。縄自体を土器面に回転させる方法を最も普通とするが,縄の側面や先端を押圧する方法,縄を丸棒の軸に巻きつけた絡条体を回転または押圧する方法などの種類がある。日本の石器時代土器に特別な発達がみられ,縄文土器縄文時代の名称の由来となった。時代や地方によっては縄文のまったく用いられない様式もあるが,概して東日本に縄文使用の根強い伝統があり,弥生土器にも継承された。

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