礼部韻略(読み)れいぶいんりゃく(その他表記)Lǐ bù yùn lüè

改訂新版 世界大百科事典 「礼部韻略」の意味・わかりやすい解説

礼部韻略 (れいぶいんりゃく)
Lǐ bù yùn lüè

中国,宋の丁度らの撰した韻書。1007年(景徳4)に戚倫らの撰した《韻略》を修訂し,1037年(景祐4)に刊行された。5巻,206韻で,収録字数は9590,礼部科試に応ずる者のために主要な字のみを集め簡略な注を付した。宋代の官本は伝わらないが,通行本に《附釈文互註礼部韻略》がある。また毛晃・毛居正父子の《増修互註礼部韻略》は大幅に字と注を増やし,近世音への変化を反映している。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の礼部韻略の言及

【韻書】より

…一方で,字書的肥大化を排し,実用簡略化をめざした詩韻の流れがある。丁度らの撰《礼部韻略》(1037)以下,実質上あるいは形式上も,韻の併合をおこない,応試作文の用に供されたもので,王文郁《平水新刊韻略》(1229)を経て,康熙年間の《佩文詩韻》に至る。【慶谷 寿信】。…

【平水韻】より

…中古期の切韻系の韻書がしだいに増広されてくると,詩文制作の用には煩雑で不便なものとなった。宋代の《礼部韻略》は応試作文の用に供せられた官韻書で,〈礼部〉の名を冠する。その構成は,表面上206韻であるが,同用によって押韻の枠をゆるやかにし,実質上108韻で,〈詩韻〉の原型を示す。…

※「礼部韻略」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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