礼部(読み)レイブ

デジタル大辞泉 「礼部」の意味・読み・例文・類語

れい‐ぶ【礼部】

六部りくぶの一。礼楽祭祀さいし貢挙などをつかさどった役所代に設置され、末に廃止
治部省じぶしょう唐名

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「礼部」の意味・読み・例文・類語

れい‐ほう【礼部】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 治部省(じぶしょう)の唐名。
    1. [初出の実例]「外任奏事、依不審、問礼部入道雅兼」(出典台記‐康治元年(1142)正月七日)
  3. 中国、隋以後、六部一つ礼式祭祀・貢挙などをつかさどった役所。〔周書‐武帝紀上〕

れい‐ぶ【礼部】

  1. 〘 名詞 〙れいほう(礼部)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「礼部」の意味・わかりやすい解説

礼部
れいぶ
Li-bu; Li-pu

中国の官制。尚書省六部の一つ。祭祀,礼制,学校外交を司り,ときに仏教道教などの宗教行政も含み,盛唐以降は科挙も管轄した。『周礼』の春官大宗伯の後身と考えられており,長官-尚書,次官侍郎判官-郎中・員外郎などで構成される。太常,光禄鴻臚 (こうろ) の諸寺や国子監などの関係現場官衙の諸行事についても文書行政を通じて統轄した。国政実権はなかったが,言論,思想面でその存在は重んじられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「礼部」の解説

礼部(れいぶ)

隋唐以来の中央行政官庁である六部(りくぶ)の一つ。国家の典礼を統轄し,教育科挙,外国との交際などの業務をも兼ねた。現在の日本の文部科学省および外務省,宮内庁の一部に相当する。唐代では尚書省に属し,元代では中書省に,明清では皇帝直属であったが実質上は内閣のもとに置かれた。1911年に廃止された。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「礼部」の解説

礼部
れいぶ

礼楽儀式・教育・祭祀・外国との交際を担当する中国の行政機関
起源は漢代にさかのぼるが,唐代に六部の1つとして整備され,以後明・清まで存続した。科挙試験や学校に関することは736年以降は吏部から礼部に移管された。長官は礼部尚書。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「礼部」の意味・わかりやすい解説

礼部
れいぶ

三省六部

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の礼部の言及

【治部省】より

…日本古代の律令制八省の一つ。和訓は〈おさむるつかさ〉,唐名は礼部という。氏姓・系譜にかかわる訴訟,五位以上の官人の相続・婚姻,祥瑞,喪葬,外交,寺院・僧尼に関することなどをつかさどり,雅楽寮(ががくりよう),玄蕃寮(げんばりよう)と諸陵司(のち諸陵寮),喪儀司の2寮2司を管したが,喪儀司は9世紀初めに廃止された。…

【六部】より

…中国,唐代から清末まで中央行政を分掌した吏,戸,礼,兵,刑,工の6官庁の総称。吏部は文官の人事,戸部は財政,礼部は祭祀と教育,兵部は軍事と武官の人事,刑部は司法,工部は土木に関する政務をそれぞれ担当した。魏・晋以後,中央行政機関となってきた尚書省は,5曹ないし6曹の分曹をもち,それらの曹名にも変遷があったが,唐代にいたって吏,戸,礼,兵,刑,工の六部とした。…

※「礼部」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android