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韻書 いんしょ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

韻書
いんしょ

漢字のを分類して一定の順に配列した書物の総称。一種の発音字典にあたる。まず平・上・去・入の四声により四大別し,さらにそのなかで字音の韻の同じもの,すなわち相互に押韻可能なもの同士をひとまとめにしている。各韻ごとに代表字1字を選び韻目 (韻の名称) とする。たとえば「東,同,…,籠,…」をまとめて「東韻」と呼ぶ。韻の数は韻書のできた時代により異なり,隋の『切韻』は 193,宋の『広韻』は 206,『壬子新刊礼部韻略 (じんししんかんれいぶいんりゃく) 』 (平水韻) は 107,元の陰時夫 (いんじふ) の『韻府群玉』で 106韻になり,この 106韻 (ないし 107韻) がいまでも漢詩の作成などに用いられている。

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デジタル大辞泉の解説

いん‐しょ〔ヰン‐〕【韻書】

中国で漢字によって分類した字書。「切韻」「広韻」「集韻」など。また、「韻鏡」「切韻指掌」などの注釈書を含めてもいう。

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百科事典マイペディアの解説

韻書【いんしょ】

漢字をその韻目によって分類配列した字音字典,または音韻関係の書物。隋の陸法言らの《切韻》(601年),唐の孫【めん】(そんめん)の《唐韻》(751年),宋の陳彭年らの《広韻》(1008年),元の周徳清の《中原音韻》(1324年)などが有名。
→関連項目音韻学佩文韻府

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世界大百科事典 第2版の解説

いんしょ【韻書 yùn shū】

中国で音韻関係の書物を指し,広義にいえば〈音韻之書〉であって,音韻および音韻学に関するいっさいの書として押韻字典も音節表も音韻学の研究書も韻書となる。狭義にいえば,同韻の文字を一括し,それを韻の順序に従って編纂配列した一種の字書であって,文字の発音を調べたり,詩文作成上の検索の用をなすもののことである(本項ではこの意義に限定して説明する)。〈同韻〉とは,韻母が同一であるばあいだけとは限らない。近似した韻母のばあいもある。

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大辞林 第三版の解説

いんしょ【韻書】

漢字を、その韻によって分類配列した字典。「切韻」「広韻」など。六世紀に中国で「四声譜」が作られ、以後、多数作られたが、現存するものでは、751年に作られた「唐韻」が古い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

韻書
いんしょ

漢字をその韻(字音のうち頭子音を除いた部分)によって分類、配列した字書。詩賦をつくるときなどに押韻する必要から編集されたもので、韻目を掲げて、所属字を、多くは同音ごとに反切標示のもとにまとめて列記してある。普通、中国梁(りょう)の沈約(しんやく)の『四声譜』を嚆矢(こうし)とするが、体裁が整うのは陸法言(りくほうげん)ら編の『切韻』(601)からで、韻目数は193である。その後多数の韻書が伝えられ、それら切韻系韻書を集成した『大宋重修広韻(だいそうじゅうしゅうこういん)』(1008)は206韻に分けている。しかし、音韻変化に伴い、分類の韻が実際の発音と異なってきたため、韻目を整理して107韻としたのが『壬子(じんし)新刊礼部韻略』(1252)である。これから1韻を削った106韻のいわゆる「平水韻」(詩韻)は、今日に至るまでの押韻の基準となった。そのほか『蒙古(もうこ)字韻』(1308)、『中原(ちゅうげん)音韻』(1324)などが注目される。
 一方、唐末ごろから同じ頭子音の字を縦に、同じ韻の字を横に配列した「韻図」が悉曇(しったん)学や西域(せいいき)字母の研究の影響で作成され、音韻を体系的に図式化した書が著された。『韻鏡』(10世紀ごろ成立)はその代表的なもので、43の図表からなり、頭子音を36に分類し、韻もさらに音色の違いによって4種に細分する。日本にも『切韻』『韻鏡』などが伝来し、盛んに利用された。『東宮(とうぐう)切韻』(菅原是善(すがわらのこれよし)撰)は切韻系韻書を集録したものであるが、『聚分(しゅうぶん)韻略』(虎関師錬(こかんしれん)著)や『平他(ひょうた)字類抄』など日本で撰述された韻書もある。[沖森卓也]

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世界大百科事典内の韻書の言及

【音韻学】より

…また韻の分類も盛んになり,韻の分類による字書が発生するようになった。これを韻書という。六朝の韻書は隋にはいって集大成され,陸法言の編である《切韻》(601)に結実した。…

※「韻書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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