朝日日本歴史人物事典 「秋里籬島」の解説
秋里籬島
生年:生年不詳
江戸時代の読本作者。名は舜福,字は湘夕。仁左衛門と称した。籬島は号。京都の人。安永9(1780)年に刊行した『都名所図会』が大いに当たり,それ以降,画工を連れて諸国を実際に踏査し,『大和名所図会』『東海道名所図会』などを出版。大本で多くの挿絵を有するこうした「名所図会」は,その後流行したが,籬島はその先駆者である。また,軍記物を平易な文章にし,名所図会に倣って大本でそれに挿絵を多く入れた『源平盛衰記図会』を,寛政12(1800)年に刊行。これはまた,読本における「図会物」というジャンルの嚆矢となった。その他,俳書や辞書,作庭の書など,幅広い方面において40冊におよぶ著書がある。
(樫澤葉子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報