安永(読み)あんえい

精選版 日本国語大辞典 「安永」の意味・読み・例文・類語

あんえい【安永】

江戸時代、後桃園光格天皇の代の年号明和九年(一七七二)一一月一六日、関東・奥羽の大風水害のため改元。安永一〇年(一七八一)四月二日に至り、天明元年となる。将軍は一〇代徳川家治。出典は「文選」の「寿安永寧」、「唐紀」の「可安社稷、永奉宗桃」など。

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デジタル大辞泉 「安永」の意味・読み・例文・類語

あんえい【安永】

江戸中期、後桃園天皇光格天皇の時の年号。1772年11月16日~1781年4月2日。

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日本歴史地名大系 「安永」の解説

安永
やすなが

都城市の旧庄内しようない村地区と現山田やまだ町の南部を含む一帯をさす、中世から近世初頭にかけての地名。中世には島津庄ほん郷のうちで、元徳二年(一三三〇)七月の島津庄雑掌承信重申状写(「備忘抄」所収文書)には、同庄北郷弁済使職を継承した北郷丹後房亮雅(日置氏)が先祖開発の私領で相伝の地と主張している名田の一として「安永」があげられている。

文和元年(一三五二)四月二五日、島津忠宗の六男資忠は前年の筑前国金隈かねのくま(現福岡市博多区)での合戦の軍功により、足利尊氏から北郷三〇〇町を与えられ、一二月一二日北郷に入部。同郷内安永薩摩迫さつまざこ(現山田町中霧島のうち)に住し、初めて北郷を名乗ったという(北郷氏系図など)。なお安永の地名は同所の安原やすわら権現の安の字を取って付けられたともいう(宮崎県史蹟調査)

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日本の元号がわかる事典 「安永」の解説

あんえい【安永】

日本の元号(年号)。江戸時代の1772年から1781年まで、後桃園(ごももぞの)天皇、光格(こうかく)天皇の代の元号。前元号は明和(めいわ)。次元号は天明(てんめい)。1772年(明和9)11月16日改元。後桃園天皇即位にともない、また関東で起こった大火や水害の凶事を断ち切るために行われた(災異改元)。「明和9年」が「迷惑年」に通じるとして、改元が行われたともいわれる。『文選(もんぜん)』を出典とする命名。安永年間の江戸幕府の将軍は徳川家治(いえはる)(10代)。後桃園天皇は1770年(明和7)、伯母にあたる後桜町(ごさくらまち)天皇から譲位されたが、1779年(安永8)に病気により22歳で崩御実子が内親王のみであったことから閑院宮家から養子を迎え、同年11月25日に皇位が継承された(光格天皇)。1774年(安永3)には、杉田玄白(げんぱく)らが『解体新書』を刊行している。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「安永」の解説

安永

正式社名「株式会社安永」。英文社名「YASUNAGA CORPORATION」。輸送用機器製造業。昭和24年(1949)「株式会社安永鉄工所」設立。同63年(1988)現在の社名に変更。本社は三重県伊賀市緑ケ丘中町。自動車部品製造会社。シリンダーブロックなどエンジン部品を製造。トヨタ・三菱自動車向け中心。工作機械も手がける。東京証券取引所第2部上場。証券コード7271。

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